『ウエルネスサポート』2007年1月号
Q.1下記条件のウォーキングと踏台昇降を行いました。 ダイエット効果が高いのはどちらだと思いますか?
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・ウォーキング 時速5km 30分 | |
・踏台昇降 高さ15cm 20回/分 30分 |
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答から言うと、踏台昇降がウォーキングより消費量が高いです。では、解説しましょう。
ダイエット効果が高いと言うのは結局エネルギー消費量が高いということです。では、体重70kgの太郎君がウォーキングと踏台昇降を別々にしたとしましょう。
ウォーキングの場合、歩くスピードが消費量に影響するように思うかもしれませんが、実は関係ありません。エネルギー消費量に影響するのは、歩いた距離と歩いた人の体重です。この問題では時速5kmで歩いたとなっていますから、歩いた時間が30分なので歩いた距離は2.5kmです。そして、太郎君は体重が70kgです。歩行のエネルギー消費量の計算式は以下のようになります。
歩行のエネルギー消費量=歩行距離×体重×0.5
つまり、体重1kgにつき、1kmにつき0.5kcalのエネルギーを消費するということです。ですから、太郎君は
2.5km×70kg×0.5≒88kcalということになります。
では、踏台昇降ではどうでしょう。踏台昇降のエネルギー消費量は踏台の高さ、昇降のスピード、時間そして昇降をした人の体重に影響されます。この問題では踏台の高さが15cm、1分間に20回の昇降、30分間、そして太郎君は70kgです。踏台昇降のエネルギー消費量は下の表のようになります。この表に示された数値はMetsと言い、何もしていない安静状態を1として、その何倍の運動をしているかという指標です。そして、単位がkcal/kg/時間となっていて、1時間で体重1kgあたりで、何kcal消費しているかが計算できます。つまり、この問題の条件では安静時の4.2倍の運動をしているということですので、計算すると
4.2×70kg×0.5時間=147kcalとなります。
何もしていない安静状態の代謝量も含んでいますから、35kcal(1×70×0.5)を引きます。つまり、
147−35=112kcalとなります。
「なんだ、たった24kcalの差か!」と思うかもしれません。毎日この運動を行った場合の差は、1年で体重にして約1kgの差が出ます。これが大きいと考えるか小さいと考えるかは皆さん次第です。
1分間当たりの昇降回数
| | 20 | 22 | 24 | 26 | 28 | 30 |
| 踏台の高さ | 10cm | 3.5 | 3.8 | 4 | 4.3 | 4.5 | 4.7 |
| 15cm | 4.2 | 4.6 | 4.9 | 5.2 | 5.5 | 5.8 |
| 20cm | 4.9 | 5.3 | 5.7 | 6.1 | 6.5 | 6.9 |
| Q.2ヨガやピラティスがはやっていますが、あんなに軽い運動で本当にダイエット効果が期待できるのでしょうか? |
最近、スポーツクラブではヨガやピラティスが流行っています。健康と美を謳っていますが、本当にあんなに軽い運動でダイエット効果が期待できるのでしょうか?まず、答から言うとある程度は期待できると思います。運動をして身体を動かしているわけですから、消費量はアップしているはずですし、毎日長く続ければ効果は期待できると思います。しかし、積極的な減量を期待するなら、もう少し汗が流れるような運動の方が効果は高いですし、体力アップの面でも効果的です。
実際にされたことがある人ならば分かると思いますが、ほとんど汗は出ませんし、心拍数は安静状態よりもわずかに上がる程度ですので、心肺機能の向上には強度が低すぎると言えます。ヨガ、ピラティスの効果としては、これらの運動は体幹部(特にお尻、腰周り)の筋肉をよく使っており、腰痛の予防・改善や、柔軟運動が入っているため関節可動域の増大など、自転車運動やジョギングのような有酸素運動では、得られない体力が獲得できます。
私が問題に思うのは、「○○体操」、「△△運動」というのが出れば、すぐに多くの効果が期待できるように宣伝されるということです。基本的に1つの運動に対しての効果は1つか2つくらいと考えた方が良いと思います(万病薬はない!)。
実際には、ヨガやピラティスが、どのような効果があるのか科学的に証明されていません。今後、研究が進みその効果が明らかになる日も遠くないと思います。